アジア太平洋地域(日本除く)は、約1,500万人の富裕層が集中しており、北米に次ぐウェルスマネジメント(以下、WM)市場の規模を誇る。さらに現在もその人口は増加の一途を辿っており、例えば3,000万米ドル以上の純資産を所有する超富裕層(Ultra High-net-worth individual: UHNWI)の人口は今後5年間で約39%の増加が予測されるなど、世界の市場で最も早い成長が見込まれる地域でもある。
2021年3月にKPMG中国は、WMのデジタル化についてアジア太平洋地域の8つの市場を比較したサーベイ(Digital Wealth Management in Asia Pacific)を公表した。本稿では、このうち、中国本土及び香港の内容について、背景となる事象を補足しながら概要を紹介する。当該サーベイでは、8つの市場の比較の他、銀行・会社名を挙げて各主要プレイヤーの動向も紹介している。